
ジムニーオーナーの皆さん、あるいはこれからジムニーを手に入れて自分色に染め上げたいと思っている皆さん、愛車のメンテナンスやカスタムは楽しんでいますか。
ジムニーは初代から現行のJB64/JB74型に至るまで、その無骨で愛らしいデザインと高い悪路走破性から、何年経っても色褪せない絶大な人気を誇っています。
しかし、長年乗り続けたり中古車で購入したりすると、どうしても避けて通れないのがボディ塗装の劣化や色褪せ、そして小傷やサビの問題です。
また、他の人とは違う自分だけのオリジナルカラーにドレスアップしたいという夢を持つ方も非常に多いですよね。
そこで今回は、ジムニーの印象を劇的に変える「全塗装(オールペン)」について、その費用相場や賢く安く抑えるコツ、DIYでの挑戦方法からリセールバリューへの影響まで、プロの視点と車好きの趣味人としての目線を交えながら、徹底的に分かりやすく解説していきます。
- 1ジムニー全塗装の費用相場とショップの価格差が分かる
- 2DIYによる刷毛塗りやラプターライナーの手順と費用
- 3全塗装が将来の下取りやリセールバリューに与える影響
- 4全塗装費用を安く抑えるコツと店舗選びの注意点を紹介
ジムニーの全塗装(オールペン)費用の相場と基礎知識
ジムニーの全塗装を検討する際にまず知っておきたい、基本的な費用の目安や施工ショップごとの特徴、作業期間について詳しく見ていきましょう。
ジムニーの全塗装費用相場はいくら?
ジムニーを全塗装する場合の費用相場は、どのような塗装を行うか、どの程度の仕上がりを求めるかによって大きく変動します。
一般的な目安としては、一般的な乗用車と比較してボディサイズが小さい軽自動車規格のジムニー(JA11、JB23、JB64など)であれば、外側のみの簡易的な全塗装(ドアの内側やエンジンルームなどを塗らない仕様)で約20万円〜35万円程度がスタートラインとなります。
一方、ドアを開けたときに見えるピラー部分やドアの裏側、給油口の内側までしっかりと同色で塗り上げる本格的な全塗装(丸塗り)を依頼する場合は、約40万円〜60万円程度が一般的な相場になります。
さらに、エンジンを降ろしてエンジンルーム内部まで完璧に塗装する場合や、ボディ全体のサビ落とし・凹み補修(板金作業)が大量に必要な場合は、80万円を超えるケースも決して珍しくありません。
また、選択する塗料のグレードやカラーリングによっても価格は変わります。
一般的なソリッドカラーであれば比較的リーズナブルですが、パールやメタリック、あるいは3コートパールといった特殊な重ね塗りが必要なカラー、クリア塗装を何層も重ねるようなプレミアム仕様にすると、それだけで基本料金に数万円〜十数万円が上乗せされます。
ジムニーはスクエアなボディ形状をしており、マスキングやパーツの脱着が比較的容易な部類に入りますが、年式が古いモデル(JA11やSJ30など)ではボルト類が固着していたり、外装パーツの樹脂が劣化して取り外す際に破損しやすかったりするため、パーツ交換費用や追加の作業工賃が発生しやすい点にも注意が必要です。
事前にショップへ見積もりを依頼する際は、単に「全塗装」という言葉の価格だけで判断するのではなく、どの範囲まで塗ってくれるのか、補修費用は含まれているのかを細かく確認することが大切です。
さらに、塗装料金の決定には「下地処理」の範囲が極めて重要です。
長年使い込まれたジムニーのボディには、目に見えない無数の飛び石傷や、オフロード走行でついた枝擦り傷、さらには塗装の内側で進行している初期段階のサビが多く存在しています。
これらを一切無視して上から塗料を吹き付けると、数か月以内に塗装が浮き上がったり、サビが急激に悪化して塗装膜を突き破ってきたりします。
そのため、優良な塗装ショップでは塗装に入る前に細かくボディを観察し、傷のサンディングやパテ埋め、サビ取り剤を用いた防錆処理を徹底的に行います。
このプロセスにかかる工賃こそが全塗装費用の大きな割合を占めていることを理解しておきましょう。
全塗装費用の基本構成要素
- 基本塗装工賃(ブース使用料、技術料など)
- 塗料代(ソリッド、メタリック、パールなどの種類別)
- 脱着工賃(ドア、フェンダー、グリル、ライト類の取り外し)
- 下地処理工賃(サビ落とし、凹みのパテ補修、足付け)
- 追加オプション(ドア内側の塗装、ルーフのツートン化など)
専門店に依頼した場合の全塗装費用とメリット
ジムニーのカスタムや全塗装を専門的に扱っているプロショップに依頼する場合、費用はやや高めになりやすく、総額で40万円〜70万円程度を見込んでおく必要があります。
しかし、専門店に依頼することには費用に見合う非常に大きなメリットが存在します。
まず最大のメリットは、「ジムニーという車種に対する圧倒的な知識と経験」です。
ジムニーは世代ごとに特有の弱点(サビが発生しやすい場所や、雨漏りしやすいウェザーストリップの劣化など)があり、専門店であれば塗装作業と同時にこれらのトラブルを発見し、適切な対策や部品交換を提案してくれます。
例えば、JB23型でよく見られるジャダー現象の対策や、JA11型のフェンダー内部のサビ補修などは、ジムニーを日常的に触っているショップだからこそスムーズかつ完璧に対応できるのです。
さらに、専門店ならではのカラーコーディネートやカスタム提案を受けられる点も魅力的です。
ジムニーによく似合うアースカラー(サンドベージュ、カーキ、アンバーブロンズなど)のオリジナル調色レシピを持っていたり、バンパーやグリルを社外品に交換するタイミングに合わせて、塗装とフィッティングを同時に行ってくれたりします。
塗装ブースなどの設備も車専用の本格的なものを完備しているため、ゴミやホコリの混入が極めて少なく、塗装面の平滑さやクリアの深み、耐久性に関しては格安ショップやDIYとは比較にならないほどの高クオリティが約束されます。
長年にわたって愛車を美しい状態で維持したいと考えている方や、仕上がりに一切の妥協をしたくないというこだわり派の方には、やはり専門店での施工が最も確実で安心できる選択肢と言えるでしょう。
また、多くのジムニー専門店では全塗装プランの中に「錆止めアンダーコート」の同時施工や、リフトアップサスペンションの点検などをオプションとして用意していることも珍しくありません。
足回りや下回りの状態を同時にリフレッシュしてもらうことで、結果的に別々のショップへ個別に依頼するよりも時間的・金銭的なコストを圧縮できる場合があります。
何よりも、ジムニーを愛するスタッフたちが作り上げる一台は、単なる「古い車の色換え」を超えて、一生モノの相棒として再び命を吹き込まれたような特別な風格を放つ仕上がりになります。
◆kuniのプロのアドバイス
専門店での全塗装は確かに初期投資としては大きく感じられますが、数年後の耐久性や、万が一のトラブル時のアフターフォローを考えると非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
特に古いジムニーをお持ちの方は、ボディに隠れた見えないサビを徹底的に治療してもらう意味でも、専門店に相談してみるのが一番の近道ですよ。
格安で全塗装を行ってくれるショップの費用と注意点
少しでも費用を抑えたいと考えるオーナー向けに、近年では「全塗装格安」を大々的にアピールするショップも増えています。
こうした格安ショップ(いわゆる激安オールペン専門店や格安板金塗装チェーンなど)では、ジムニーの全塗装を15万円〜25万円程度という非常にリーズナブルな価格設定で提供しています。
一見すると大変魅力的な価格ですが、格安で提供できるのには明確な理由があり、利用する際にはいくつかの重要な注意点が存在します。
格安塗装ショップが低価格を実現している主な要因は、「作業プロセスの大幅な簡略化」です。
具体的には、以下のような点が挙げられます。
- パーツの脱着をほとんど行わない:ドアハンドルやエンブレム、ライト類、バンパーなどを取り外さず、マスキングテープで覆うだけで塗装を行うため、脱着に必要な工賃や時間を大幅にカットしています。これにより、マスキングの境目から塗装が剥がれやすくなったり、パーツの隙間に元のボディカラーが残ってしまったりすることがあります。
- 下地処理(足付け・サビ処理)の簡略化:古い塗装面の上に新しい塗料をしっかり密着させるための「足付け」と呼ばれるサンディング作業や、サビの完全な除去を最低限しか行わないケースがあります。下地処理が不十分だと、数ヶ月〜1年程度で塗装が浮いてきたり、内部からサビが再発してボロボロになったりするリスクが高まります。
- 使用する塗料のグレード:耐候性や紫外線カット能力が低い安価な塗料を使用することがあり、屋外保管の場合に数年で色褪せやチョーキング(表面が粉を吹く現象)が発生することがあります。
このように、格安ショップでの施工は「とりあえず見た目の色が変わればいい」「数年乗れれば満足なので、クオリティはそこまで求めない」という割り切った考えを持つ方には向いていますが、長く大切に乗りたいと考えている方には、後にトラブルの修正費用でかえって高くついてしまうこともあるため注意が必要です。
格安ショップを選ぶ際も、追加料金でドアの内側まで塗ってくれるオプションがあるか、保証制度が設けられているかなど、契約前に契約書や見積書を徹底的に見極める必要があります。
さらに言えば、格安ショップでは一度に大量の車両をこなすことで利益を出している薄利多売のビジネスモデルであるケースが多いため、一台一台に対する繊細な磨き込みや丁寧なパーツ復元といった細部への気配りを求めるのは現実的ではありません。
ネジが余っていたり、配線が元通りになっていなかったりといったトラブルもネット上の口コミで散見されるため、安さを追求する際にはそれ相応の覚悟とチェック能力がユーザー側にも求められます。
格安塗装を依頼する前に確認すべきこと
- 「外側のみ」の塗装範囲にどこまで含まれているか(ドアを開けた時のフレームなど)
- パーツ脱着をどこまで行うか(マスキング処理のみの場所の確認)
- 塗装の保証期間はあるか(万が一の塗装剥がれへの対応)
- 使用する塗料メーカーやグレード(アクリル、ウレタンなど)
全塗装にかかる一般的な期間と作業の流れ
ジムニーを全塗装に出す場合、愛車をショップに預ける期間は一般的に「2週間から1ヶ月程度」となります。
サビ補修や凹みの板金作業が多い場合、あるいは塗料の乾燥・硬化をじっくり行う必要がある特殊な塗料を使用する場合は、1ヶ月半〜2ヶ月近くかかることもあります。
長期間車が手元から離れることになるため、代車の有無やその費用についても事前に確認しておくことが非常に重要です。
ショップで行われる全塗装の具体的な作業フローは以下の通りです。
- 入庫・事前打ち合わせ:ボディの状態を細かくチェックし、傷やサビの補修範囲、希望のカラー、ドア内側まで塗るかどうかなどを確認し、最終的な見積もりを確定させます。
- パーツの分解(脱着):バンパー、グリル、前後ライト、ドアミラー、アウターハンドル、モール類、エンブレムなどの外装パーツを丁寧に取り外します。専門店ではこの段階でインナーフェンダーなどのサビをチェックします。
- 下地処理(板金・サビ補修):ボディにある凹みをパテで平らにし、サビている部分は鉄板まで削るか、切り貼りして修復します。その後、ボディ全体を目の細かいサンドペーパーで削り、塗料の食いつきを良くする「足付け」を行います。
- マスキング(養生):ガラス面やエンジンルーム、足回りなど、塗料が付着してはいけない部分をマスキングペーパーやテープで入念に覆います。
- サフェーサー(下地塗料)塗装:防錆効果があり、本塗りの塗料の密着性を高めるサフェーサーを全体に吹き付け、乾燥後に再び細かく研磨して面を出します。
- 本塗装(ベースコート・クリアコート):専用の塗装ブース内で、カラーベースを数回に分けて吹き付け、さらにその上から透明なクリア塗料を重ねてツヤと耐久性を出します。ツートンカラーの場合はルーフとボディを別々に塗装します。
- 乾燥・焼き付け:ブース内の温度を上げて塗料をしっかり乾燥・硬化させます。
- 磨き作業(ポリッシング):乾燥後、塗装表面に付着した極小のゴミを丁寧に取り除き、複数のコンパウンドを使ってポリッシャーで新車のような鏡面状に磨き上げます。
- 組み付け・最終検査:最初に取り外したパーツを元通りに組み付け、ライト類の動作や雨漏りチェックなどの最終検査を行い、オーナーへ納車となります。
これだけの膨大な工程をすべて手作業で丁寧に行うため、どうしても一定の期間と高額な工賃が必要になるのです。
特に古いジムニーでは、パーツを取り外す際に劣化したクリップ類が破損するため、新しい消耗品の調達に数日を要することがあり、納期が遅れる要因となります。
また、天候や湿度によって塗料の乾燥速度が変わるため、梅雨時期や冬場の施工では通常よりも工期が延びやすいという特徴もあります。
スケジュールには十分に余裕を持って依頼するようにしましょう。
ジムニーの全塗装に人気の色とカラー選びのコツ
ジムニーの全塗装における最大の醍醐味は、自分好みのボディカラーを選べることです。
現行のJB64で人気の純正色である「ジャングルグリーン」や「ミディアムグレー」はもちろん、歴代ジムニーや他車種の魅力的なカラー、あるいは完全オリジナルのカスタムカラーを選ぶことができます。
ジムニーに特に人気があるカラー系統は以下の通りです。
まず圧倒的に人気なのが「アースカラー・ミリタリー系」です。
サンドベージュ、コヨーテタン、カーキ、オリーブドラブ、デザートイエローといったくすんだ色調は、ジムニーの四駆らしいタフなイメージに完璧にマッチします。
汚れが目立ちにくく、キャンプや林道といったアウトドアの風景に驚くほど自然に溶け込むため、多くのオーナーから選ばれています。
次に人気なのが「レトロ・クラシック系」です。
JA11などの旧車ジムニーを彷彿とさせるアイボリー(ホワイト系)や、淡いライトブルー、クラシックなフィアットやミニの純正色であるピスタチオグリーンなどを選ぶことで、街乗りでも非常におしゃれで目を引くかわいらしいジムニーに仕上がります。
カラー選びのコツとしては、単に「好きな色」を選ぶだけでなく、以下の実用的なポイントも考慮することをおすすめします。
- ルーフのツートン化:ボディ本体とお好みのカラーにしつつ、ルーフ(屋根部分)やサイドミラーをブラックやホワイトで塗り分ける「ツートン仕様」は非常におしゃれで人気があります。ルーフを白にすると夏場の車内温度上昇を和らげる効果もあります。
- 艶消し(マットカラー)の選択:ミリタリー感を強調するためにマット仕上げにするのも人気ですが、マット塗装はワックス掛けができず、擦り傷がつくとその部分だけ艶が出てしまうため、維持・メンテナンスの難易度が高い点に注意が必要です。
- バンパー等とのバランス:グリルやバンパーを無塗装のブラック(樹脂素材のまま)にするのか、同色にするのかによって全体の引き締まり方が大きく変わります。全体のバランスをイメージしながら決めましょう。
また、色を決める際には太陽光の下での見え方を意識することも重要です。
室内の照明の下や小さな色見本(カラーチップ)で見たときと、実際に広大な面積のボディに塗装されて日の光を浴びたときでは、色の明るさやトーンの印象がまるで異なります。
可能であれば、その色が実際に塗装された車両を実物で見せてもらうか、あるいは希望するカラーに近い他車種の車を路上で観察してみることを強く推奨します。
さらに、ジムニー特有のカスタムパーツ(シュノーケル、リヤラダー、太いタイヤなど)を装着する予定があるなら、それらの黒いパーツがより映えるようなコントラストがはっきりした色を選ぶと、全体の完成度が飛躍的に高まります。
カラー選び迷子になった時のヒント
カラー選びに迷ったら、お気に入りのアウトドアギアや、好きなアパレルブランドの製品の色からインスピレーションを得るのも手です。
また、トミカやジムニーのプラモデル、ミニカーを使って自分で塗装してみて、全体の色のバランスを事前にシミュレーションするユニークなオーナーさんもいますよ。
ジムニーの全塗装費用を安く抑える方法とDIYのコツ
ここからは、高額になりがちな全塗装の費用を賢くセーブするための具体的なアプローチや、近年ブームとなっているDIYでの塗装手法について解説します。
diyで刷毛塗り全塗装をする場合の費用と手順
「ショップに何十万円も払う予算はないけれど、どうしてもジムニーの色を変えたい」というDIY好きなオーナーの間で非常に流行しているのが、スプレーガンを使わずに「刷毛(ハケ)とローラー」を使って自分で全塗装する方法です。
近年では、DIY向けのツヤ消し水性塗料やウレタン塗料が市販されており、これらを使用すれば、塗料代や養生資材を含めても「約1万5,000円〜3万円程度」という驚異的な安さで全塗装を実現することが可能です。
また、刷毛塗りはあえてムラやざらつきを残すことで、タフで男前なミリタリー調やヴィンテージ風の独特な質感を演出できるというメリットもあります。
DIYでの刷毛塗り全塗装の基本的な手順は以下の通りです。
- 車両の洗車と脱脂:まずは洗車を行い、ワックス分や油分をシリコンオフや中性洗剤で完璧に取り除きます。油分が残っていると塗料が弾かれてしまいます。
- 取り外せるパーツの取り外し:ワイパー、ナンバープレート、スペアタイヤ、グリルなど、簡単に外せるパーツはすべて外しておきます。
- マスキング:窓ガラスやゴムモール、ライト類など、塗らない部分をマスキングテープとマスカー(ビニール付きテープ)でしっかり保護します。
- 足付け(サンディング):ボディ全体を耐水ペーパー(400番〜600番程度)で満遍なくこすり、細かい傷をつけて塗料の密着性を良くします。この工程を怠ると、後でペリペリと塗装が剥がれてしまうため、最も重要で体力のいる作業です。
- 塗装(1回目):広い面は短毛ローラーを使い、細かい隙間や凹凸部分は刷毛を使って薄く塗り広げていきます。1回で色を決めようとせず、薄く塗るのがコツです。
- 塗装(2回目・3回目):完全に乾いてから、同様に重ね塗りをしていきます。重ねることでムラが消え、発色が良くなります。
- マスキング剥がしと乾燥:塗料が完全に乾ききる前に(半乾きの状態で)慎重にマスキングテープを剥がします。完全に乾いてから剥がすと、一緒に塗膜まで剥がれてしまうことがあるためです。
刷毛塗りDIYは、手間と時間はかかりますが、友達と一緒にワイワイ作業する楽しさもあり、愛着が何倍にもなる素晴らしいカスタム方法です。
ただし、新車のようなツヤツヤの平滑な仕上がりには絶対にならないため、あらかじめその点を理解した上でチャレンジしてください。
また、刷毛塗り塗装は後から本格的なプロ仕様の吹き付け塗装にやり直す際、古い塗料をすべて削り落とす必要があるため、莫大な剥離工賃が発生するというデメリットもあります。
一時的なお遊びではなく、一生その塗装と付き合う覚悟で挑むのが成功の秘訣です。
作業環境についても、雨風が当たらないガレージや、風が比較的弱い曇りの日を選ぶのが理想的です。
風が強い日に屋外で作業を行うと、せっかく塗ったばかりの生乾きのボディに砂埃や虫が大量に付着してしまい、そのまま固まって見栄えが極端に悪くなってしまいます。
また、一度に厚塗りすると塗料が垂れてしまい、乾いた後に醜いコブになってしまうので、根気よく「薄く塗って乾かす」を繰り返すことが何よりのコツとなります。
ラプターライナー全塗装の特徴と費用
ジムニーのアウトドア感を極限まで高めたいオーナーに今最も注目されているのが、イギリス製の高耐久ウレタン塗料「ラプターライナー(RAPTOR LINER)」を使用した全塗装です。
ラプターライナーは、ピックアップトラックの荷台などに使用される非常に頑丈な塗料で、塗装面がザラザラとした独特の梨地(サメ肌のような凹凸)に仕上がるのが特徴です。
傷や擦れに極めて強く、林道を走行したときに飛び石や枝で擦ってもボディに傷がつきにくいという圧倒的な耐久性を誇ります。
また、防錆・防水・紫外線に強い効果も併せ持っています。
ラプターライナーで全塗装を行う場合の費用は、ショップに依頼する場合は一般的な塗装よりもやや高くなり、約50万円〜80万円程度が相場となります。
専用のスプレーガンで均一にザラザラ感を出す高度な技術が必要とされるためです。
一方、DIY用のキットを購入して自分で塗装する場合は、塗料と専用ガンなどで約6万〜10万円程度で施工可能です。
DIYで行う場合は、コンプレッサーを用意して吹き付ける方法と、ローラーでザラザラ質感を出す方法があります。
ラプターライナーはそのワイルドな見た目から、リフトアップしたジムニーやオフロード仕様のカスタム車両と抜群に相性が良く、他のジムニーに大きな差をつけたい方には非常におすすめの塗装方法です。
ラプターライナーは単に強固なだけでなく、補修が比較的容易であるというメリットも持ち合わせています。
もし過酷なオフロード走行などで塗装が欠けてしまった場合でも、その部分にラプター塗料をピンポイントでタッチアップするか、部分的に吹き付けるだけで、梨地の質感が周囲と同化するため、普通のメタリック塗装などのように色の違いや境目が目立ちません。
そのため、ヘビーユースするジムニーオーナーにとって、最も実用的で頼もしい最強の塗装ソリューションと言えます。
ラプターライナーのメンテナンス性
ラプターライナーの凹凸面は泥汚れなどが隙間に入り込みやすいですが、高圧洗浄機で一気に洗い流すことができるため、オフロード走行後の洗車は実はかなり楽です。
ワックスをかける必要もありません。
全塗装したジムニーのリセールバリューへの影響
将来的にジムニーを売却したり、乗り換えたりすることを考えている場合、全塗装が査定額(リセールバリュー)にどのような影響を与えるのかは非常に気になるところですよね。
結論から言うと、一般的な中古車市場において、全塗装(オールペン)された車両は基本的に「修復歴がなくても査定額が下がる(減点対象になる)」ことがほとんどです。
一般ユーザーの多くはメーカー純正のオリジナルコンディションを求めるため、全塗装車は買い手が付きにくく、事故車隠し(事故で傷ついたのを全塗装で誤魔化したのでは?)と疑われるリスクもあるからです。
しかし、ジムニーに関しては、一般的な乗用車とは少し異なる「特殊な市場価値」が存在します。
特にJA11やJB23といった古い世代のジムニーの場合、純正の塗装が完全に色褪せてサビている状態よりも、人気のアースカラーやクラシカルなカラーに綺麗に全塗装され、センス良くカスタムされている車両の方が、専門店やオークションで高値で取引されるケースが多々あります。
軽自動車や普通車の維持費を安く抑えるコツとして、古い中古車を安く買って長く乗るという選択肢がありますが、そういった維持費節約の観点からも、見た目が綺麗でエンジンの状態が良いカスタム済みのジムニーは需要が非常に高いのです。
なお、新車同様のJB64やJB74(シエラ)に関しては、全塗装してしまうと純正カラーの方が価値が高いため、リセールバリューは確実に数十万円下がってしまう可能性が高いと考えておきましょう。
売却時の価値を気にするのであれば、塗装ではなくカーラッピングなどで一時的に色を変えるなどの対策も検討すべきです。
査定額の落ち幅を最小限に抑えるための対策として、全塗装を行う前の状態(キズやへこみ、あるいはただの色褪せであることを示す証拠)と、塗装作業中の工程を写真に残しておくことをお勧めします。
これにより、買取業者に対して「事故を隠すための全塗装ではなく、趣味としてのカスタムカラーチェンジである」ことを証明でき、不当な買いたたきを防ぐ強力な武器になります。
また、ジムニーのカスタム車両に特化した買取専門店へ持ち込むことも極めて重要です。
一般の大手買取店ではマニュアル通りの大幅減点となりますが、専門店であればカスタムの価値や塗料の品質を正しく評価してプラス査定にしてくれることもあります。
車の維持に関心がある方は、愛車の価値を維持しつつコストを浮かせるために、軽自動車や普通車の維持費を安く抑えるコツについての情報もあわせてチェックしておくと非常に有益ですよ。
全塗装を依頼する前に確認すべき注意点
いざ全塗装を決意してショップに車を持ち込む前に、トラブルを防ぐために必ずクリアにしておくべきいくつかの注意点があります。
まず一つ目が「構造変更や車検証の記載内容」に関する点です。
基本的にボディカラーを変更するだけであれば、車検証の記載事項を変更する必要はありません。
ただし、全塗装と同時にオーバーフェンダーを装着してボディサイズが軽自動車規格を超えてしまうような場合は、管轄の「軽自動車検査協会」にて構造変更手続きが必要になります。
これを怠ると車検に通らなくなるため、カスタムとセットで行う場合は必ず確認してください。
二つ目は「ドアの内側や給油口、エンジンルームをどこまで塗るか」の明確な取り決めです。
見積もりが安いからと飛びついたら、外側だけしか塗られておらず、ドアを開けたら元の真っ赤なボディカラーがむき出しになっていて非常に格好悪くなってしまった、という失敗談は非常に多いです。
ドアを開けた時のステップやピラーまで同色にするのかどうかは、見積もり時に絶対に合意しておきましょう。
三つ目は「付帯する消耗パーツの交換予算」です。
塗装のためにガラスやライト、ドアを取り外す際、窓枠のゴムモール(ウェザーストリップ)やプラスチック製のクリップ類は経年劣化で確実に破損・劣化します。
これらは再利用できないことが多いため、部品代として追加で数万円の出費が必要になることを想定しておいてください。
さらに、塗装作業中のトラブルに対する保証制度(ペイント保証)の有無も必ず確認しましょう。
どんなにプロが完璧に塗装しても、下地の脱脂不足などが原因で数ヶ月後に塗装がペリペリと剥がれてきたり、気泡(ピンホール)が発生したりすることがあります。
良心的なショップであれば、施工後1年程度の保証期間を設け、こうした不具合に対して無償で手直し対応を行ってくれます。
口頭の約束だけでなく、保証内容が明記された書面を発行してもらえるかどうかを確認することが、長く安心したカーライフを送るための重要なディフェンス策になります。
全塗装後に後悔しないためのチェックリスト
- ドアヒンジや給油口の内側も塗装範囲に含まれているか
- 窓ゴムやエンブレムなどの新品パーツ代が見積もりに含まれているか
- 全塗装後の保管状況(青空駐車の場合の劣化対策)
- 万が一、納車直後に塗装のタレや剥がれが見つかった場合の無償手直しの有無
ジムニーの全塗装費用に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ジムニーの全塗装はDIYで本当にできますか?
A. 刷毛やローラーを使った塗装用ペンキを利用すればDIYも可能です。
ただし、仕上がりのクオリティは専門ショップの吹き付け塗装に劣るため、見た目の綺麗さを最重視するならプロに依頼するのがおすすめかなと思います。
Q2. 塗装期間はどのくらいかかりますか?
A. ショップの混雑状況や塗装工程にもよりますが、一般的には2週間から 1ヶ月程度が目安です。
代車の手配なども事前に相談しておくと良いかなと思います。
Q3. 部分塗装と全塗装で迷ったらどうすべきですか?
A. 傷の補修だけなら部分塗装が安価ですが、全体の色褪せが気になる場合やカラーチェンジをご希望なら全塗装がベストです。
予算と目的を照らし合わせて選んでみてくださいね。
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まとめ:ジムニーの全塗装費用を賢く抑えて愛車をイメチェンしよう
ジムニーの全塗装について、その費用相場やショップの種類、DIYの手法まで詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ジムニーは四駆ならではの無骨なフォルムをしているため、好みのカラーに塗装するだけで、まるで別の車に乗り換えたかのようなワクワク感を味わうことができます。
長く美しく乗りたいなら実績のあるプロの専門店へ、コスト重視でとりあえず綺麗にしたいなら格安ショップへ、そして手間暇をかけて自分だけのオンリーワン仕様に仕上げたいなら刷毛塗りやラプターライナーを使ったDIYにと、予算や目的に合わせた自由な選択ができるのもジムニーカスタムの大きな魅力です。
ぜひ今回紹介した費用を抑えるコツや注意点を参考に、ご自身のライフスタイルに最適な方法を選んで、世界に一台だけのカッコいいジムニーを手に入れてくださいね。