
ヤリスに電動パーキングブレーキはいつから搭載されるのか、ずっと気になっていた方は多いのではないでしょうか。
2020年の登場以来、ヤリスは販売台数で常にトップクラスの人気を誇ってきました。でも、なぜかパーキングブレーキだけはレバー式のまま据え置きで、オートブレーキホールドも使えないという状態がずっと続いていたんですよね。
ヤリスクロスには最初から電動パーキングブレーキが付いているのになぜヤリスにはないのか、渋滞のたびにブレーキを踏み続けるのがつらい、サイドブレーキの解除がしにくい――そんな不満を抱えていた方も少なくないはずです。
そしてついに、2026年2月20日発売の一部改良モデルで、ヤリスのハイブリッド車に電動パーキングブレーキが標準装備されることが確定しました。ただしガソリン車は対象外で、値上げやアドバンスドパーク廃止といった見逃せない変更もあります。
この記事では、パーキングブレーキの位置がどこに変わるのかといった基本から、ヤリスクロスとの使い方の違い、後付けの可否、解除できないトラブルへの対処法、そして2026年改良モデルを買うべきかどうかの判断材料まで、まるっと整理しました。
ポイント
- ヤリスに電動パーキングブレーキが搭載された経緯と対象グレード
- オートブレーキホールドの使い勝手とヤリスクロスとの比較
- 値上げ幅やガソリン車が対象外である点の注意事項
- 後付けの可否やトラブル対処を含めた購入判断のポイント
ヤリスの電動パーキングブレーキはいつから搭載で何が変わるのか
2026年2月20日発売の改良モデルで、ヤリスにはついに電動パーキングブレーキが搭載されます。ここでは、これまで採用されなかった理由から具体的な変化、気になる価格への影響まで順番に解説していきます。
なぜヤリスに電動パーキングブレーキがなかったのか
ヤリスが2020年に登場したとき、多くのユーザーが真っ先に感じた疑問が「なぜ電動パーキングブレーキがないのか」だったと思います。同時期に発売されたヤリスクロスには初代から電動パーキングブレーキが標準装備されていたのに、ベース車であるヤリスはレバー式のサイドブレーキのままでした。
この理由としてまず考えられるのは、コストと車両価格のバランスです。ヤリスはコンパクトカーの中でもエントリー価格を150万円台に抑えることが求められていた車種で、電動パーキングブレーキのユニットを搭載するとその分だけ車両価格が上がってしまいます。当時のトヨタとしては、TNGAプラットフォームの採用や世界トップクラスの燃費性能に開発リソースを集中させ、パーキングブレーキはコスト優先でレバー式を選択したのだと推測されます。
ちなみに、海外市場向けのヤリスではすでに電動パーキングブレーキを搭載しているモデルが存在していました。つまり技術的にできなかったわけではなく、日本仕様の価格競争力を維持するためにあえて見送っていたという側面が大きいですね。
しかし2020年以降、コンパクトカー市場では電動パーキングブレーキの搭載がどんどん当たり前になっていきました。ホンダのフィットやスズキのスイフトなどライバル車種が次々と採用する中で、ヤリスだけがレバー式を維持している状態は商品力の面でどうしても見劣りしていたわけです。
こうした市場環境の変化を背景に、今回の2026年改良でようやく搭載に踏み切った、というのがこれまでの流れになります。
ハイブリッドのみ標準装備でガソリン車は対象外
今回の改良で電動パーキングブレーキが搭載されるのは、ハイブリッド(HEV)モデルの全グレードのみです。1.0Lガソリン車と1.5Lガソリン車には搭載されません。
これは結構重要なポイントです。「ヤリスに電動パーキングブレーキが付いた」という情報だけを見て購入を決めると、ガソリン車を選んだ場合に「あれ、付いてない……」と後悔する可能性があります。
ガソリン車が対象外になった理由は公式には明言されていませんが、やはりコスト面の制約が大きいと考えられます。ハイブリッド車はもともと車両価格が高めに設定されているため、電動パーキングブレーキのコストを価格に反映しやすいのに対し、ガソリン車は価格帯を抑える必要があるためです。
したがって、オートブレーキホールドや電動パーキングブレーキを必須と考えるなら、2026年改良モデルではハイブリッドを選ぶ必要があるということをしっかり押さえておいてください。
電動パーキングブレーキが搭載されるのはハイブリッド車のみです。ガソリン車(1.0L・1.5L)では従来通りレバー式サイドブレーキが継続されるため、購入時にはパワートレインの選択に十分注意してください。
オートブレーキホールドで渋滞や信号待ちが楽になる
電動パーキングブレーキの搭載に伴い、ヤリスのハイブリッド車にはオートブレーキホールド(ABH)も標準装備されます。正直なところ、日常の運転で一番ありがたみを感じるのはこの機能かもしれません。
オートブレーキホールドとは、信号待ちや渋滞で停車したときにブレーキペダルから足を離しても、車が停止状態を保ってくれる機能です。再発進するときはアクセルを踏むだけでブレーキが自動解除されるので、操作は非常にシンプルですね。
これまでのレバー式サイドブレーキのヤリスでは、信号待ちのたびにブレーキペダルを踏み続けるしかありませんでした。毎日の通勤で渋滞にハマるたびに右足が疲れるという声は、口コミでもかなり多かったです。オートブレーキホールドがあれば停車中に足をペダルから離してリラックスできるので、疲労度がまったく変わってきます。
さらに、電動パーキングブレーキの採用により、レーダークルーズコントロール(ACC)に停止保持機能が追加される見込みです。高速道路の渋滞でACCを使って前の車に追従し、完全に停止した後もそのまま停止状態をキープしてくれます。長距離ドライブでの疲労軽減に大きく貢献してくれるポイントですね。
なお、オートブレーキホールドのメモリー機能(エンジン再始動時に自動でONになる機能)については、搭載の有無が確認できていない部分もあります。メモリー機能がない場合はエンジンをかけるたびにホールドボタンを押す手間が生じるため、気になる方は購入前にディーラーの実車で確認しておくのがおすすめです。
ヤリスクロスとの使い方の違いを比較する
「ヤリスクロスにはもともと電動パーキングブレーキが付いているけど、何が違うの?」という疑問を持つ方も多いかと思います。ここでは操作面を中心に、両車の違いを整理しておきます。
ヤリスクロスでは2020年の初代モデルから電動パーキングブレーキが全車標準装備されています。使い方としては、シフトレバーをPに入れると自動で作動し、Dなどに入れてアクセルを踏むと自動解除されるオートモード付きです。手動でもスイッチの引き・押し操作でかけたり解除したりできます。
2026年改良モデルのヤリスも、基本的な操作方法はヤリスクロスと同様になると考えられます。スイッチを引けばパーキングブレーキがかかり、押せば解除。Pポジションで自動作動、D等へのシフトで自動解除というオートモードも備わる見込みです。
ただし両車で異なる可能性があるのは、スイッチの配置場所やセンターコンソールのレイアウトです。ヤリスはヤリスクロスよりも車内空間がコンパクトなので、スイッチ周りのデザインや使い勝手に微妙な差が出てくるかもしれません。
また最も大きな違いとして、ヤリスクロスではガソリン車を含む全車に電動パーキングブレーキが搭載されているのに対し、ヤリスではハイブリッドのみという点があります。ヤリスクロスからの乗り換えや比較検討をしている方は、この差をしっかり意識しておく必要がありますね。
値上げ幅はグレード別でどれくらい変わるのか
電動パーキングブレーキの搭載を含む今回の改良に伴い、ヤリスは全グレードで価格が引き上げとなっています。値上げ幅はグレードによってかなり開きがあるので、一覧で見ておきましょう。
| グレード | 改良後価格(税込) | 値上げ幅の目安 |
|---|---|---|
| X(1.0Lガソリン・2WD) | 1,694,000円 | 約+36,000円 |
| G(1.0Lガソリン・2WD) | 1,918,400円 | 約+98,000円 |
| Z(1.5Lガソリン・CVT・2WD) | 2,301,200円 | 約+64,000円 |
| HYBRID X(2WD) | 2,249,500円 | 約+50,000円 |
| HYBRID G(2WD) | 2,445,300円 | 約+124,000円 |
| HYBRID G(E-Four) | 2,643,300円 | 約+141,000円 |
| HYBRID Z(2WD) | 2,669,700円 | 約+90,000円 |
| Z URBANO(HEV・2WD) | 2,779,700円 | 約+90,000円 |
最小はXグレード(1.0Lガソリン)の約+36,000円、最大はHYBRID G E-Fourの約+141,000円です。ハイブリッドのGグレードで値上げ幅が大きくなっているのは、電動パーキングブレーキの標準装備化に加え、フロントセンターアームレストの追加なども影響しています。
ただし気をつけたいのは、Gグレードでは値上げと引き換えにコンフォートシートセットが廃止されている点です。シートヒーターやナノイーX、助手席シートバックポケットなどが含まれていたオプションパッケージがなくなっており、単純に「値上がり=装備が充実した」とは言えない面もあります。
ここに記載した価格はあくまで一般的な目安です。正確な最新価格やオプション構成は、トヨタ公式サイトのヤリス価格・グレードページ(出典:トヨタ自動車公式)で必ずご確認ください。
パーキングブレーキの位置はどこに変わるのか
従来のヤリスでは、パーキングブレーキはセンターコンソール横にあるレバー式でした。レバーを引き上げてブレーキをかけ、ボタンを押しながら下ろして解除するという、昔ながらの方式ですね。
2026年改良モデルのハイブリッド車では、このレバーが廃止され、センターコンソール部に小型の電動パーキングブレーキスイッチが配置されます。欧州仕様のヤリスと同様のレイアウトになると見られており、スイッチは指先で引いたり押したりするだけのコンパクトなものです。
そしてレバーがなくなったことで生まれたスペースには、Z、Z URBANO、Gグレードでフロントセンターアームレストが新たに装備されます。これは地味に大きな変化で、ヤリスのようなコンパクトカーでは腕を置く場所がないのが当たり前でしたから、長距離ドライブの快適性がかなり向上するはずです。
レバー式に長年慣れてきた方は最初だけ少し戸惑うかもしれませんが、電動パーキングブレーキのスイッチ操作はスイッチを引くだけでかかり、押すだけで解除できるシンプルなものです。オートモードにしておけば普段はスイッチに触れる必要すらありません。ディーラーで試乗すれば数分で慣れると思いますよ。
ヤリスの電動パーキングブレーキで後悔しないための注意点
電動パーキングブレーキの搭載は間違いなく大きな進化ですが、知っておくべき注意点もいくつかあります。ここからは、万が一のトラブルへの備え、後付けの可否、ガソリン車を選ぶ場合の判断軸、そして2026年改良モデルを今買うべきかどうかについてまとめていきます。
サイドブレーキの解除ができないトラブルへの備え
電動パーキングブレーキは便利な反面、レバー式にはなかったトラブルが起きる可能性もあります。特に知っておきたいのが、バッテリー上がり時の解除不能と寒冷地での凍結の2点です。
電動パーキングブレーキはモーターで作動するため、バッテリーが完全に上がってしまうと解除操作ができなくなるケースがあります。レバー式であれば物理的に操作すれば解除できましたが、電動式ではそうはいきません。
トヨタの電動パーキングブレーキには強制解除の手順が用意されています。一般的には、イグニッションをONにした状態でブレーキペダルを踏み込み、8秒以内にパーキングスイッチをロック側に3回・リリース側に3回操作するという方法です。ただし、バッテリー残量がゼロに近い場合はこの手順でも解除できないことがあるため、日頃からバッテリーの状態に気を配っておくことが大切です。
もうひとつの注意点が寒冷地での凍結です。気温が氷点下まで下がるとブレーキ装置自体が凍結し、パーキングブレーキが解除できなくなるリスクがあります。トヨタの公式FAQでも、凍結が予想される場合はパーキングブレーキのオートモードをOFFにし、シフトをPに入れて輪止めをしたうえで駐車することが推奨されています。
万が一凍結して解除できなくなった場合は、無理に動かさずロードサービスや整備工場に連絡するのが最も安全です。解氷スプレーやぬるま湯(50~60℃程度)をブレーキ周辺にかけることで解消するケースもありますが、安全に関わる部分なので自己判断はなるべく避け、専門家に相談してください。
後付けでの対応は可能なのか
「今乗っているヤリスのガソリン車に、電動パーキングブレーキを後付けできないの?」という疑問を持つ方もいるかと思います。
結論から言うと、電動パーキングブレーキ本体の後付けは基本的にできません。電動パーキングブレーキはブレーキシステム全体の設計やECU(電子制御ユニット)との統合制御が前提になっていて、パーツ単体を取り付ければ動くというものではないんですよね。車両の安全に直結するシステムでもあるため、社外品の後付けキットも現時点では存在しません。
ただし、混同しやすいものとして「オートブレーキホールド自動ONキット」があります。これはヤリスクロスやGRヤリスなど、もともと電動パーキングブレーキが搭載されている車種で、エンジン始動のたびにホールドボタンを押す手間を省くための社外キットです。電動パーキングブレーキそのものを追加するものではないので、レバー式サイドブレーキのヤリスには使えません。
現在レバー式のヤリスに乗っていて電動パーキングブレーキが欲しい場合は、2026年改良モデルのハイブリッド車への乗り換えが最も現実的な選択肢になります。後付けに期待するよりも、買い替えのタイミングとして前向きに検討するほうが合理的かなと思います。
ブレーキホールドがないガソリン車の選び方
2026年改良モデルでもガソリン車にはブレーキホールドが搭載されませんが、だからといってガソリン車にメリットがないわけではありません。用途や優先順位によっては、ガソリン車のほうが合っているケースもあります。
まず価格面で見ると、ガソリン車のXグレード(1.0L)は1,694,000円からで、ハイブリッドのHYBRID X(2,249,500円)と比べて50万円以上安いです。通勤や買い物など短距離中心の使い方であれば、この価格差は無視できません。
また、今回の改良でZ URBANOのガソリン車に6速MTが新設定されました。マニュアルで運転を楽しみたい方にとっては、むしろガソリン車が第一候補になりますよね。MTを選ぶ方はそもそも自分でクラッチやシフト操作をする楽しさを重視しているので、電動パーキングブレーキの有無よりも走りの楽しさが優先されることが多いかなと思います。
ブレーキホールドがないことのデメリットが最も大きく出るのは、渋滞や信号待ちの多い都市部での使用です。逆に郊外メインで信号も少ないエリアを走ることが多い方なら、そこまで大きな不便は感じないかもしれません。
自分の使い方を振り返ってみて、「渋滞での疲れがつらい」ならハイブリッド、「価格を抑えたい」「MTで楽しみたい」ならガソリン車、というのがシンプルな判断軸になりますね。
ヤリスMT車の走行性能や使い勝手について詳しく知りたい方は、ヤリスMTで後悔しない!購入前に知るべき評判と全知識も参考にしてみてください。
2026年改良モデルは買いなのか待つべきなのか
「2027年にフルモデルチェンジするかもしれないのに、2026年の改良モデルを今買うべき?」という悩みは、今このタイミングで最も多い疑問ではないでしょうか。
複数の自動車メディアでは、ヤリスの次期モデル(5代目)が2026年末~2027年頃に登場する可能性があると予想されています。次期モデルでは新開発の1.5L直列4気筒エンジンへの変更やプラットフォームの刷新が見込まれており、現行型とは別物レベルの進化になるかもしれません。
ただし、これはあくまで複数メディアの予測であって、トヨタからの公式発表はまだありません。予想通りに出るとは限りませんし、仮に出たとしても発売直後は納期が非常に長くなる傾向があります。
今買うのがおすすめなケース
現在乗っている車の車検が迫っていたり、故障が増えてきたりしている場合は、2027年まで待つ余裕がないこともあるかと思います。2026年の改良モデルは電動パーキングブレーキの追加やディスプレイの大型化など、実用面での進化がしっかり詰まっていて、現時点でも十分満足できる内容です。
また、現行モデルの最終改良版は熟成が進んでいて品質が安定しているというメリットもあります。フルモデルチェンジ直後のモデルは初期ロットならではの不具合リスクが伴うこともあるので、安定志向の方には改良モデルのほうが向いているかもしれません。
待つのがおすすめなケース
今の車にまだ余裕があり、次の車には最新の設計やデザインを求めたいという方は、待つ価値はあるかもしれません。直4エンジンへの変更やボディデザインの刷新が実現すれば、走りの質感やインテリアの雰囲気は現行とは大きく異なるものになる可能性があります。
最終的な判断は「今の車がいつまで持つか」と「新しい車に何を求めるか」のバランスで決まります。迷ったら、まず2026年改良モデルの実車をディーラーで見てから判断するのが一番確実ですね。正確な情報は公式サイトや販売店で最新のものを確認してください。
ヤリスの電動パーキングブレーキ搭載で購入判断はこう変わる
ここまで見てきたように、2026年2月20日発売のヤリス改良モデルでは、ハイブリッド全グレードへの電動パーキングブレーキとオートブレーキホールドの標準装備が最大の目玉です。長年の不満だった「ブレーキホールドがない」という問題がついに解消され、渋滞や信号待ちの疲労が大きく軽減されることになります。
一方で、ガソリン車には搭載されないこと、グレードによっては10万円以上の値上げがあること、そしてアドバンスドパークやコンフォートシートセットなど一部装備が廃止されていることは、購入前にしっかり理解しておきたいポイントです。
電動パーキングブレーキの後付けはできないため、この機能が欲しいならハイブリッド車を選ぶ必要があります。逆に、価格を抑えたい方やMTで運転を楽しみたい方にとっては、ガソリン車も引き続き十分な選択肢です。
2027年のフルモデルチェンジの可能性も含めて考えると、今の車の状況や自分が何を優先するかで判断は分かれます。ただ、2026年改良モデルは現行ヤリスの集大成ともいえる完成度に仕上がっていて、成熟したモデルならではの安心感があるのは間違いありません。
気になるグレードがあれば、まずはディーラーで実車を確認し、見積もりを取ってみてください。値引き交渉のコツも含めた購入戦略については、ヤリスの値引き相場と限界額は?交渉術を徹底解説の記事も合わせて参考にしていただければと思います。最終的な判断は、必ず公式サイトや販売店で最新の情報を確認したうえで行ってくださいね。